創価学会仏壇の桜梅桃李のお知らせ・日常が、ここでご覧になれます。

  • 桜梅桃李.com
  • 昭和57年創業以来38,000件以上の創価学会仏壇を安心価格でお届けしています。
  • 昭和57年創業以来38,創価学会・SGI仏壇の事ならお気軽にご相談ください
  • 0120-7676-43 電話受付 10:00~18:00 水曜・日曜定休
サイズから選ぶ

2019年12月 2日 AM 11:00

情熱店長ブログ

〈随筆「人間革命」光あれ〉 池田大作 創価の陣列に力あり:聖教新聞より転載

学会は永遠に前進! 威風堂々と

 その日その朝、私は、師から託されていた使命を胸に、遠大なる走破へ一歩を踏み出した。

 愛する沖縄の天地で、小説『人間革命』の執筆を始めたのである。
 一九六四年(昭和三十九年)の十二月。日付は恩師・戸田先生の命日である二日と決めていた。世界広宣流布の旅に出発したのも、会長就任の年、十月の二日である。
 恩師の「妙悟空」の筆名を「法悟空」として引き継いだ『人間革命』は、それ自体が師弟継承の物語といってよい。
 師の厳しくも温かな眼差しを常に感じながら、先生ならどうされるかを常に問いながら、ペンの闘争に打って出たのだ。
 

黎明は沖縄から

 五十五年前、沖縄本部の小さな和室の文机で書き起こした「黎明」の章は、沖縄の宝友たちとの共戦譜そのものである。
 前夜の地区部長会では「国土世間を変えゆく要諦は、人間革命にある。必ず沖縄を、平和と繁栄の、模範の社会に!」と語り合った。
 戦争で両親を亡くした青年部の友には、恩師の和歌を書き贈った。
 「辛くとも 
   歎くな友よ
    明日の日に
   広宣流布の
    楽土をぞみん」
 
 最初の原稿を書き上げた午後には、学生部の友と固い握手を交わした。その英才たちが中核となって、十年後、青年部の反戦出版の第一弾となる『打ち砕かれしうるま島』を発刊してくれたのである。
 共戦の五十五年の歳月、大誠実の沖縄家族は一人ひとりが自らの人間革命に挑みながら、人類の希望と光る楽土の建設へ、「命をかけて ひと筋に」走り続けてくれた。
 明年は、沖縄支部の結成六十周年でもある。今再び沖縄から、広宣流布と立正安国の新たな「黎明」が世界へ広がりゆくことを、私は強盛に祈ってやまない。
 

人材を育む祈り
紅(くれない)燃ゆる紅葉が大地から噴き上がるように――我らも情熱の炎を燃やし、新たな年へ!(1998年11月、池田先生撮影。京都で)
紅(くれない)燃ゆる紅葉が大地から噴き上がるように――我らも情熱の炎を燃やし、新たな年へ!(1998年11月、池田先生撮影。京都で)

 創立九十周年へ、わが同志は今、威風堂々の大前進を開始している。
 「先駆」の大九州も、「常勝」の大関西も、意気と歓喜にみなぎる美事な総会であった。
 日本全国いずこでも、新進気鋭のリーダーが誕生し、百戦錬磨の先輩と共に、御本仏から任された「其の国の仏法」(御書一四六七ページ)のために奮闘している。頼もしい限りだ。
 最晩年、「もう何もいらない。ただ人材が欲しい」と語られていた戸田先生がどんなに喜ばれているか。
 戸田先生が線を引き、二重丸を付して大切にされていた有名な御聖訓がある。
 「妙法蓮華経の五字・末法の始に一閻浮提にひろまらせ給うべき瑞相に日蓮さきがけ(魁)したり、わたうども(和党共)二陣三陣つづきて迦葉・阿難にも勝ぐれ天台・伝教にもこへよかし」(同九一〇ページ)
 先生は、この仰せのままに、殉教の先師・牧口先生の心を継ぎ、戦後の荒野に、ただ一人立たれたのである。
 そして二陣三陣と続く地涌の若人を呼び出し、薫陶された。魂の炎をつなぐ師弟の共戦と後継なくして、一閻浮提広宣流布の実現はないからだ。
 明「前進・人材の年」は、まさに、この共戦・後継に焦点がある。
 

誓いの後継よ 二陣三陣と立ち上がれ
広布とは「人間勝利の花」「平和と文化の華」を咲かせゆく前進! 香り高き菊花に囲まれて(1997年11月、山梨教学研修センターで)
広布とは「人間勝利の花」「平和と文化の華」を咲かせゆく前進! 香り高き菊花に囲まれて(1997年11月、山梨教学研修センターで)

 日蓮大聖人は、四条金吾への手紙に、「殿の御事をば・ひまなく法華経・釈迦仏・日天に申すなり其の故は法華経の命を継ぐ人なればと思うなり」(同一一六九ページ)と綴られた。
 御自分のことよりも、わが直弟子こそ「法華経の命を継ぐ人」であり、何よりも大事な存在であると、勝利を祈り、励まし抜かれた大慈大悲が拝されてならない。
 後輩を自分以上の人材に、そして二陣三陣と続く後継の友の道を、広々と開いてみせる――この深き祈りと励ましが人材を育むのである。
 そのためには、まず、先輩やリーダーが自ら労苦の汗を流すことだ。人びとに尽くし、勇気と希望を広げる人材の手本を自分が示す以外にない。生まれ変わった決意で、自身の人間革命に挑戦しゆくのだ。
 「月月・日日につよ(強)り給へ」(御書一一九〇ページ)と仰せのように、惰性を排し、朗々たる題目の師子吼で魔を打ち破って、一日一日、生き生きと前進することだ。
 「創造的な活動によって、人は自分自身に新しい命を授ける」――これは、ナチスの暴虐に苦しむ祖国ポーランドのために戦った音楽家パデレフスキの言葉である。
 学会は「価値創造」の団体である。創価の師弟は、この濁世にあって、何があろうとも、平和と幸福の価値を無限に創造しゆく使命を担って、ここに雲集しているのだ。
 

生命は響き合う

 十一月十八日、創立のその日に開催された本部幹部会は、“世界民衆平和会議”というべきSGI総会でもあった。
 それこそ「万里の波濤」を越えるような求道の熱い心で集い来られたのは、世界六十五カ国・地域、二百八十人の地涌の指導者である。
 「道のとを(遠)きに心ざしのあらわるるにや」(御書一二二三ページ)と賞讃された御本仏のお心を拝するにつけ、同志の尊き「心ざし」の陰徳陽報は厳然たり、と確信してやまない。
 総会の前日、世界の友は、台風・大雨の被災等を乗り越えてきた関東五県の三十二会場に走って、交流交歓会に臨んだ。
 “地球家族”のザダンカイには、多数の友人も参加され、南無妙法蓮華経の題目が“世界の共通語”になっていることや、海外メンバーの明るさや信仰体験に大きな感動の輪が広がった。
 世界の友と日本の友の信心の息吹が力強く響き合って、「随喜する声を聞いて随喜し」(同一一九九ページ)という大歓喜の連鎖が起こったのだ。まさに人間と人間、魂と魂の生き生きとした結縁と触発こそ、広宣流布の源泉といってよい。師弟の絆、同志の団結の不変の力がここにある。
 
 戸田先生とご一緒に迎えた最後の創立記念日に、私は書き留めた。
 「先生の力で、われらはこれまで育つ。
 先生の力で、妙法の境涯を開く。
 先生の力で、われらの力は発揮できた。
 先生の師恩は、山よりも高し。海よりも深し。
 忘れじ、われは。偉大なる師の歴史を世界に示さん。誓う、堅く」――
 この不二の縁で結ばれた後継の陣列によって、世界広布の大道はいやまして開かれていくのだ。
 

種を蒔く人の歌

 災害が打ち続いた本年、農漁光部の方々のご苦労が痛いほど偲ばれてならない。「変毒為薬」されゆくことを祈念し、題目を送らせていただく日々である。
 豊かな実りの陰には、大地を耕し、種を蒔いた人の苦闘が必ずある。
 長年、親交を結んだキルギス共和国出身の文豪アイトマートフ氏は、祖国の古謡「種蒔く人」を深く愛されていた。
 創価学園生に温かな励ましを送られた際にも、この古謡を朗誦された。
 「蒔かれた種に心ゆくまで水をやり……一粒の種が千粒の実をつけますように」――と。
 炎天をものともせず、農作業に励む尊さを謳い上げた一節を通し、「種蒔く人の祈り」を強調したのだ。とともに氏は、後悔なき人生の根本を、こうも示していた。
 「自分がだれで、どこから来たのかを忘れないこと、打算も理由もなしに無条件に自分を愛し、育ててくれた人々への感謝を忘れないこと」と。
 創価の多宝の父たち母たちは、同志に会う際、祈り抜いて臨んできた。その真剣な心に「ここまで自分のことを思ってくれていたのか」と多くの後輩が立ち上がり、広布の闘士に育ったのだ。
 いつの時代も、人材の育成に近道はない。だが友の可能性を信じ、大確信で向き合えば、時間はかかろうとも、必ず成長の姿で応えてくれる。
 素晴らしい伝統となった未来部の「E―1グランプリ」も、実に多くの方々の祈りと真心の結晶である。晴れ舞台に立った未来部の友は笑顔で語った。「応援してくださった同志の皆さんの祈りのおかげなんです」と。
 今回、多くの未来部員とその友が、挑戦してくれた。伸びゆく世界市民たちは、何と凜々しく、何と心豊かに、何と聡明に育ってくれていることだろうか!
 この尊き心の大地に、私たちはさらに希望の励ましを注いでいきたい。
 

勇気を! どんな壁も必ず破れる!
挑戦し突破せよ
2009年12月――冷戦終結20周年の節に、ゴルバチョフ元ソ連大統領を歓迎。10度目の語らいは、青年への期待に満ちて(都内で)
2009年12月――冷戦終結20周年の節に、ゴルバチョフ元ソ連大統領を歓迎。10度目の語らいは、青年への期待に満ちて(都内で)

 嬉しいことに今、世界の青年たちが小説『新・人間革命』を学んでくれている。それは、さながら師弟の心の対話である。
 欧州でも「『新・人間革命』世代よ 光り輝け!」を合言葉に、連帯を広げている。
 本年十一月は、あの「ベルリンの壁」の崩壊から三十年――。
 私は、十年前(二〇〇九年)の師走、冷戦終結の立役者ゴルバチョフ氏と語り合った。
 「今再び、『どんな壁も必ず打ち破れるのだ』という勇気を、共に世界の青年に贈りたい」と。
 人生も、社会も、常に「壁」との戦いである。
 しかし、行く手を阻む壁を一つ一つ突破しゆくことが、青春の挑戦であり、本懐である。そして「地球民族主義」のビジョンをもって、世界を分断するいかなる壁も、悠然と越えていくのだ。
 一人の「人間革命」から人類の「宿命転換」へ――この大いなる主題を誇り高く掲げ、わが創価の世界市民よ、誓いの後継たちよ、地涌の使命の炎を燃やし、走りゆこうではないか!