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2017年4月13日 AM 11:15

情熱店長ブログ

〈小説「新・人間革命」〉 雌伏 十七を読んだ感想と決意 島幸弘

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蔵林龍臣は七十一歳であり、五人の子どもたちも、広宣流布の庭で活躍していた。この日も、アメリカに永住している四男以外は元気に集い、孫も含め、賑やかに山本伸一と峯子を迎えてくれた。蔵林は、伸一を床の間の前に案内した。
 「こちらにどうぞ!」
 「それはいけません。人生の大先輩である蔵林さんが、お座りになってください」
 一瞬、蔵林は、メガネの奥の目に困惑の色を浮かべた。しかし、伸一の強い勧めに、床の間を背にして座った。
 部屋にある衝立の書も見事であった。黒光りした柱や意匠を凝らした欄間が、風格を感じさせた。
 伸一が、家の歴史について尋ねると、「実は、わが家にはこんな言い伝えがありまして」と言いながら、伝承を語り始めた。
 ――昔、ある冬の夜のことである。庄屋の彦左衛門が、ため池に落ちて凍えるキツネを助け上げ、体を湯で拭いて乾かし、山へ帰した。キツネは、嬉しそうに「コン、コン」と鳴きながら消えていった。翌朝、家に二羽のキジが置いてあった。雪の上には、点々とキツネの足跡が続いていた。
 「恩返しにやってきたというわけです」
 伸一が、「人間も見習わなければいけませんね」と応えると、側にいた人たちは、真剣な顔で頷いた。忘恩の徒が暗躍し、学会員をいじめ、苦しめている時だけに、皆、恩に報いることの大切さを、強く感じていたのであろう。戸田城聖の事業が破綻した時にも、それまで、さんざん戸田の世話になり、大恩を受けながら、手のひらを返すように、悪口し、恨み、憎んで、去っていった者もいた。「忘恩は明瞭この上もない不正」(注=2面)とは、哲人ソクラテスの箴言である。
日蓮大聖人は、老狐や白亀が恩に報いた故事をあげ、「畜生すらかくのごとしいわうや人倫をや」(御書二九三ページ)と、人として報恩の誠に生きることの大切さを強調されている。報恩は人間の生き方の基である。
小説『新・人間革命』の引用文献
注 クセノフォーン著『ソークラテースの思い出』佐々木理訳、岩波書店
 
〈小説「新・人間革命」〉 雌伏 十七を読んだ感想と決意 島幸弘
報恩の人生か?忘恩の人生となるか?すべては自分自身の瞬間の命の所作である。私も過去20年にも及ぶ父との確執があった。しかし報恩抄の先生のご指導を拝した時、自分自身が仏法者として父に対して感情的な判断で正邪を計るか?それとも仏法で判断するのか?私は報恩を選び父に対して心安らかになった体験があります。