題目があがる仏壇とは|虚空厨子を店主がショールームで語る|創価学会仏壇専門店 桜梅桃李.com

虚空厨子は、法華経の虚空会の儀式を空間デザインした厨子です。

茨城・古河のショールームにご来店いただいたお客様に、実物を前にご説明したときのお話を、そのまま載せます。

始まりは、一台の改造から

いちばん右にあるのが初期型です。最初に作ったときは、残念ながら虚空厨子になっていませんでした。それを改造して、虚空厨子になった。そこから始まっています。

明かりはリモコンで点きます。光を下げることも、上げることもできます。LEDの光の具合で、ご本尊様の表装の色味が変わります。同じご本尊様なのに、ここまで変わるのです。

第1世代 ― ご本尊様が、空に浮かぶ

これが第1世代です。古いから置いているのではありません。初めて虚空厨子として製品化し、私が納得したものだから、このままの姿で置いています。

見て分かるように、手前にご本尊様専用の板があります。いちばん奥の壁にご本尊様を貼り付けているのではありません。少し下がって見ていただくと分かりますが、ご本尊様が上がっているのです。虚空に上がっていなければおかしい。ですから実際に上げないと、そうは見えないのです。

大聖人は鎌倉時代に、ご自身の魂を墨に染め流して、この一幅の曼荼羅をお書きになりました。その文字は、浮いているのです。そして、一つひとつの場所にも意味がある。

私が考案した虚空厨子は、そうしたことをよりリアルに感じられるかどうか、そこを狙っています。私たちは理屈を頭で考えるかもしれません。けれども実際は、命で物事を受け止めています。どう見えるか、どう想像できるかが大事なのだと思います。

二次元のご本尊様が、三次元に、四次元に

『法華経の智慧』や御書を拝して、文字が浮いていることが何を表しているのかを考えました。書かれているのは二次元です。けれども実際は三次元です。そこに無始無終、過去・現在・未来という時間が入るから、実は四次元なのです。

その中で、自分は今の人生を生きている。自分では分からなくなっているかもしれないけれど、過去から命があり、亡くなり、また生まれていく。その中の「今」なのだ――そう感じ取れるかどうか。ご本尊様をこういう状態にすることで、それを感じられるかどうかを、いちばん意識しました。従来の仏壇と一線を画すものを作り上げるために考えたのは、そこです。

題目を、あげ続けたくなる

私自身、毎日題目をあげています。もちろん、毎日すんなり続くわけではありません。休む日もあります。けれども結局は、あげ続けられる。あげ続けたくなる。それは、ご本尊様がもともと素晴らしいからです。そして、ご本尊様と自分自身をつなぐ場としての価値を、この虚空厨子は提供しているのだと思っています。

第2世代 ― ご本尊様の幅を超えた厨子

隣が第2世代です。これは外側の仏壇の話ではなく、厨子の作りの話です。第1世代はご本尊様の幅です。こちらはご本尊様の幅を超えています。より空中に浮いているように見せようと考えたのが、第2世代の虚空厨子です。

厨子はご本尊様をご安置する場所で、その周りの仏壇は様々です。厨子がかなり大きいので、少し離れて見てもご本尊様がよく見えます。周りの仏壇が大きいか小さいかではなく、厨子がしっかりしているので、個人会場でもまったく問題がありません。

小さな場所にも、海外にも

一方で、小さなスペースで十分という考え方もあります。海外の方には、テーブルの上に置いて勤行されている方も多いと聞いています。そこで、コンパクトサイズの型も作りました。

光を、自分の手で

リモコンで入・切ができ、上で光が強く、下で弱くなります。右へ回すと白く、左へ回すと暖かい色になります。

目の調子は、朝と夜でも、疲れているときでも違います。ずっと同じ光だと、慣れて飽きてしまうこともあります。自分の目に合わせて、自分で調整できるのです。

私たちの意思で、ご本尊様に光を当てられる。そこに積極性が、自分自身の主体性が生まれます。信心そのものが、もともとそういうものです。ですから仏壇も、こういう積極性のあるものになってよいのではないかと思っています。

素材と色、そして形

並んでいるのは、アースカラーの塗装のもの、黒檀を貼ったもの、カリンを貼ったもの、ウォールナットのものです。木をきちんと素材として使っています。色は見本帳に合わせて特注で作ることもでき、金色も可能です。

丸みのある形に木を貼るのは向きません。割れてしまうからです。そこで、角のある形は木を貼り、丸みのある形は塗装という、2つのパターンにしています。それ以上は、外側の仏壇のデザインを変えればよいのです。

今はオーダーで作っていますので、扉の大きさも、触り心地も、すべて変えられます。ただ、大きくすればコストも上がり、それが価格にも表れます。

今のお仏壇に、虚空厨子を

「今の仏壇に虚空厨子を入れられますか」というご質問もいただきました。入れることはできます。ただ、今の仏壇を解体しなければなりません。金箔の仏壇であれば、それを剥がすことになり、大変な作業になります。

そこで考えているのが、いちばんコンパクトで、扉もない形です。狭いところに入れたいというご希望で、実際に作ったものがあります。それに近い形で作れば、今のお仏壇の中に虚空厨子を収めることができる。空間デザインというより、「このお仏壇に、この形で収めたい」というご希望に応える形です。

毎日向かうものだから

最終的には、その価値を自分自身で想像していけるかどうかだと思います。毎日向かうものだから、自分自身が毎日納得できるものであること。それがいちばん大切です。

※ショールームで収録したお話をもとに、読みやすく整えています。黒檀・カリンは材の入手ができなくなり、現在は新たにお作りできません。

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